自動車での事故は、車同士だけではなく、
対バイクや対人、対自転車、あるいは自損とありますが
意外と多いのが、動物との接触、衝突事故なんです。
例えば、NEXCO東日本が発表したデータによると・・・
高速道路に侵入し、轢かれた野生動物は1年間で約20,500件
そのうち43%に当たる約8,900件がタヌキとの接触、衝突
次いで鳥類が29%の約5,500件
年間2万件、1日平均60件というと意外と多いですね。
北海道では特にエゾシカなど大型動物との衝突もありますが
それ以外の地域でも山間ではイノシシとの衝突で
車が凹む事故も起きています。
野生動物との衝突事故は、自損事故扱い
「田舎に住んでいて山道を走るのでイノシシなどと衝突したら保険は効くのか?」
という問い合わせを頂いたことがあります。
結論から言うと補償を受けられるのは以下の通りです。
- 怪我や死亡時:人身傷害保険、搭乗者傷害保険、自損事故特約で補償可
- 車の修理:車両保険の一般タイプなら補償可
まず、動物との衝突は、自損事故扱いとなります。
ひと口に動物といっても、タヌキなどの小動物であれば
車のほうが負けることはまずありませんが
鹿など大型の野生動物との衝突では
衝突した鹿がフロントガラスを突き破り角が刺さる
衝突の衝撃で滑落する
こういったケースで運転していた人が亡くなっています。
動物との衝突事故による怪我や死亡時は、
自動車保険の人身傷害保険、搭乗者傷害保険、自損事故特約
これらで補償されます。
しかし、車両の修理については基本的には自損事故扱いのため
車両保険の一般タイプを契約していないと
補償の対象外となります。
動物が急に飛び出してきたから
避けようとして、急ハンドルを切り
その結果、動物との接触はなかったものの
自分の車は縁石やガードレールにぶつかり
キズが出来たり破損すると
非接触事故となり、車両保険の限定タイプでは
補償の対象外になります。
鳥類や動物の落下事故は車両保険の限定タイプでも補償される
ただし衝突する対象は
タヌキや鹿など路上にいる動物だけとは限りません。
- 鳥が飛んできて衝突した
- 山道を走行中に動物が落下してきた
など、飛来物や落下物との衝突によって修理が必要となった場合には
限定タイプでも補償されます。
高速道路を走っていて、飛び石でフロントガラスに
ヒビが入ったから修理をする場合と同じ考え方です。
なお、保険会社によっては、単独事故なのに
飛んできたと虚偽申告ではないかと
疑ってくることもありますので
ドライブレコーダーを搭載しておけば証拠になります。
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鳥類や動物との落下事故なら1等級ダウンになる
鳥類や動物との接触事故の場合は
飛んできた、落下してきた事故なら
車両保険を使っても1等級ダウンとなります。
免責金額の設定にもよりますが
修理費用>保険使った場合の割増分の合計
となる可能性も高いので
まずは翌年の保険料がいくらになるのか
契約している保険会社に問合せ
してみると確実ですが
雹の被害で車両保険を使ったほうがいいの?
という記事で翌年以降の保険料が
どのくらい値上がりするか記事にしています。
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家畜や相手のペットに対する賠償は対物賠償保険を使う
万一、轢いてしまった動物が家畜や誰かの飼っているペットの場合は
対物賠償保険を使うことになります。
ペットはたとえ家族同様に大事にしていたとしても
あくまで「物」扱いとなります。
そのため、ペットの時価額を限度に、
対物賠償保険で補償することになります。
算定方法は過去の判例を元にするようですが
血統書付きであれば
ペットショップでの販売額などを元に決めていくようです。
なお飼い主にも一定の責任があるため
飼い主が目を離した隙に飛び出したというケースでは
賠償額も減額されます。
2次被害を出さない対策を!
万一動物を轢いてしまった際には
最寄りの警察もしくは道路緊急ダイヤル「#9910」に連絡をしてください。
動物だから放置してよいというわけではありません。
もし、これが人の場合は適正な処置をしなければ
ひき逃げとなりますよね。
動物が生きている場合
最寄りの動物病院に連れて行ってあげてください。
無償で手当てをしてくれる病院もありますが
そうでない場合の治療費は自己負担となります。
暴れて近づけない、大型動物で運べそうにという場合は
無理せず、最寄りの動物病院に連絡を入れるだけでもOK
その後は警察の到着を待ってください。
動物が死んでいる場合
可能な限り、路肩などに死体を寄せて
警察の到着を待ってください。
「面倒だなぁ」と思うかもしれませんが
過去の事例では
前のドライバーが轢いてしまった野生の鹿に
後続のドライバーが乗り上げてしまい
2次事故を起こしてしまった例もあります。
その場合は、放置した人にも責任が生じます。
また動物との衝突で車両保険を使う場合にも
「動物との衝突があったという事故証明」が必要になりますので
警察への連絡は必須となります。
この記事もおすすめ 今の保険料が高いと感じていませんか?
雹の被害での記事にも書きましたが
車両保険を使う1つの目安は以下の通りです。
修理費>今の保険料の2倍+車両保険の免責金額
修理費が上回るのであれば
保険を使ったほうが良いです。
ただ、修理費が微妙なラインであれば
今の保険会社で車両保険を使って
更新時に、保険会社を切り替えるのもアリ!
ダイレクト型損保なら、新規契約では
ケータイの新規契約の囲い込みと同じで
既存のお客さんより新規客のほうが
割引額が良いことも多いです。
まずは無料の自動車保険一括見積もりサービス
を利用するのがおすすめです。
たくさんある保険会社から
あなたに合った保険会社が見つかります。
見積結果は会社ごとに寄りますが
- すぐに画面上で結果が出る会社
- メールでお知らせしてくれる会社
- ハガキでお知らせしてくれる会社
- 見積もり金額以外にも詳しい情報を封筒に入れて郵送してくれる会社
と結構差はあるものの
今の保険契約の証券と車検証の内容がわかれば
簡単に調べられます。
保険証券は手元にない
という場合でも大丈夫です。
継続の見積書が届いていれば
今年と同じ条件での継続内容が書かれていますので
その内容を参考にできます。
証券を発行しないタイプで契約していて
継続の見積書も、簡単な内容しか書かれていない
という場合でも大丈夫!
証券の内容で重要なのは下の3つ
- ノンフリート等級
- 事故有係数適用期間
- 直前1年間での等級ダウン事故の回数
車検証で見積に必要なのは下の3つ
- 車の型式
- 初年度登録
- 陸運支局
これさえわかっていれば、
おおまかな保険料見積を取れますよ。
さらにこちらの記事では、
代理店型とダイレクト型自動車保険の
徹底比較をしてみましたので
よければ参考にして下さい。