自動車保険を使ってもないのに、更新のお知らせでは
保険料が上がってたんだけど!?
長年任意保険を掛けていると、こんな経験ありますよね。
理由を知りたくて保険会社に電話したけど
「料率クラスの見直しで保険会社全体でそうなってる」
の一言で片付けられたこともありませんか?
- 料率クラスって何?
- 見直し方法はどうなってるの?
と突っ込んで聞いてもしっかりした
回答が得られないこともありますよね。
実は、損害保険料率算出機構という
保険料率を決めている会社が
公開している資料には
保険料の決め方が記載されているんです。
とはいえ難しそうな資料なんでしょ?
と思うかもしれないですね。
この記事では、資料を元に
保険料の決まり方を噛み砕いて解説します。
任意保険の保険料は直前3年間の事故実績で見直している
加入者全員が少しずつ出したお金を
事故で掛かった費用に充てる。
収支はできる限り過不足なくする。
これが保険の原則です。
もちろん保険会社も企業なので
人件費やシステム維持費など
保険の運営に必要な費用は掛かりますが
契約者全員が支払った保険料が
過不足なく事故の保険金に充てられているか
定期的に見直す必要があります。
ただし直前1年ですと
2011年の東日本大震災や
2018年の西日本豪雨災害など
事故や災害による保険金支払いが極端に
大きくなる年の影響が強くなります。
そこで多少の余裕を持って
直前3年間の保険金支払状況で
保険料の見直しを行っています。
型式別に1台当りに掛かった保険金が保険料になる
保険料の決め方は、ざっくり言えば
事故で支払った保険金を
契約台数で割った金額になります。
3年間で事故で50万円支払った事故Aでは20万円支払い事故Bでは30万円支払いの2件発生
このようなケースでは
1台あたりの保険金は50÷5=10万円
となります。
1年間に直すなら金利などを考慮せず
乱暴に計算すれば10÷3=3.333…
年間の保険料率は約3.3万円となります。
ただし、世の中には様々な車が発売されていて
同一車種でもモデルチェンジがあれば
走行性能が変わります。
走行性能が変われば事故に遭う確率も変わるため、
車検証に書かれている型式別に
掛かった保険金総額と契約台数で
保険料を計算していきます。
対人、対物、傷害、車両の4種類にわけて型式別に計算する
さらに、どんな車に乗っていたかによっても
支払う保険金の種類は異なりやすいです。
頑丈な車に乗っていれば、運転者や搭乗者が
ケガに遭う可能性は下がりますが
事故の相手側の被害が大きくなるかもしれません。
→対人賠償保険や対物賠償保険を使いやすい
スポーツカーに乗っていれば
運転者や搭乗者が死傷する可能性が高かったり
車両本体が高額なことも多いですよね。
→搭乗者傷害・人身傷害保険、車両保険を使いやすい
ランクルやハイエースなど海外でも人気があり
盗難されやすい車
→車両保険の全損扱いの可能性が高くなる
そのため、型式別にどの保険を使ったのかを
計算していきます。
これを型式別料率クラス制度といって
料率クラスは対人・対物・傷害・車両の
4クラス9段階にわかれています。
損害保険料率算出機構によれば
料率クラスが1段階上下すると
保険料率は20%異なります。
予測に基づいて保険料の引上げが起きる
直前3年間の保険金の支払い状況や
社会環境や自動車の性能などに基づいて
保険料が過不足なく保険金に使われるのか
見直しが入ります。
もっともわかりやすいのは移動平均法という
直前3年間の実績を1年ずつずらして
同じ周期だったらこうなるはず!
という未来予測を立てる方法です。
ただ、10年20年前の周期と一致したからといって
10年前の車と今の車では安全装備や基準が異なり
参考にならないこともあります。
車両保険を掛けると、保険料が2倍近く跳ね上がって
車両保険を掛けるのを諦めたという経験ありませんか?
車両保険が高額になる理由は修理費の高額化
車の性能が上がって
事故に遭いにくくなったものの
制御系の電子装備化が進んでいて
部品代が高くなりがちです。
そこで、他の条件も考えるのですが
このあたりは保険数理人という
数学のプロが決めています。
毎年1月に料率見直しがあるので年明け購入時は注意
型式別料率クラスは毎年1月に見直しが入ります。
そのため、年内か年明けで同じ車でも
保険料が変わることもあります。
特に気をつけてほしいのは
車両料率クラス8の車です。
ダイレクト型損保では、料率クラス9の車では
新規に車両保険を掛けられません。
BMW・フォルクスワーゲンなどの外国車だけでなく
ランドクルーザーなども車両料率は比較的高く
料率クラスの見直しで年明けには
車両料率クラス9となることも。。。
年末納車が間に合わず
年明けに納車されたばかりに
車両保険に入れなかった!?
なんて困りますよね。
料率クラスの見直しがあれば
損害保険料率算出機構から保険会社には
事前に連絡が入っているので
年明けに車の買い替えを考えている
納車日が年を跨ぐなら
保険会社に確認したほうがいいですよ。
保険料率は保険会社によって異なります
実は保険料率には純保険料率と付加保険料率
という2種類があります。
純保険料率は本記事で解説してきたとおりで
直前3年間の事故状況を元に
損害保険料率算出機構が決めた保険料率で
だいたいの保険会社が採用しています。
そのうえで、
- 代理店手数料
- 保険会社自体の運営費
- 利益
これらを1契約あたりに加えた
私達の保険料が決まります。
ダイレクト型損保のほうが保険料が安くなるのは
店舗を持たないことで代理店手数料が
あまり掛からないためです。
- 事故で保険を使わなかった
- 型式別料率クラスも昨年と同じ
- 他の条件も今まで通り
このような状況でも保険料が値上がりしていれば
損保独自の保険料見直しが考えられます。
契約者が支払った保険料収入以上に
- 人件費
- TVCMなどの広告宣伝費
- 代理店手数料
- 途中解約者が多く解約返戻金の送金手数料が増えた
などの出費が重なり、毎年のように赤字になれば
運営自体が立ち行かなくなってしまいます。
別記事で損保自体の体力から
値上がりになるか見抜く方法を書きましたが
赤字続きの損保で契約をしていれば
保険料が値上げになるだけでなく
ロードサービスの内容が縮小していた
事故対応の営業時間が短くて進捗がわからない
といった不利益を被っているかもしれません。
値上がりの理由が、保険会社独自のものであれば
他社のほうが保険料や補償内容やサービスなど
総合的に見れば良いこともあるので
保険会社を変えてみるのも1つの手です。
更新の時期に近づいたら
保険会社から次回の見積が届くので
値上がりをしているなら
他の損保も一度考えてみるといいですね。
損保の乗換で保険料は平均30,035円安くなります!
同じ補償内容でも、自動車保険の保険料は、
保険会社によって異なります。
保険料が高いと感じている契約者さんの多くは
ディーラーとの付き合いや会社の団体保険で任せていたなど
保険会社を比較せずに契約している方がほとんど。
同じ補償で保険料を抑えるなら、
そもそも今の保険会社での保険料が
他の保険会社の保険料と比べて高いのか
調べてみないとわかりませんよね?
私のように自分で損保各社の公式HPで
1つずつ見積を取れば、希望の補償内容で
比べられますが、ダイレクト型損保だけでも
7社以上あるので時間が掛かるので
まずは自動車保険の一括見積もりサービス
の利用がオススメ!
見積結果は下のように会社ごとに寄りますが
- すぐに画面上で結果が出る会社
- メールでお知らせしてくれる会社
- ハガキでお知らせしてくれる会社
- 見積以外に詳しい資料も郵送してくれる会社
今の保険契約の証券と車検証の内容がわかれば
簡単に調べられます。
「証券を発行しない割引だから手元にない」
「車に積んでいて取りに行くのは面倒だなぁ」
といった保険証券が手元にない人でも大丈夫です。
更新の見積書には、今年と同じ条件での
継続内容が書かれていますので
参考にできます。
証券を発行しないタイプで契約していて
継続の見積書も、簡単な内容しか書かれていない
という場合でも問題ありません。
証券の内容で重要なのは下の3つ
- ノンフリート等級
- 事故有係数適用期間
- 直前1年間での等級ダウン事故の回数
車検証で見積に必要なのは下の3つ
- 車の型式
- 初年度登録
- 陸運支局
これさえわかっていれば、保険料の見積を取れますよ。
保険の更新前に、まずは見積見積を取ってみて、
今の保険会社で継続契約するか
他の保険会社に乗り換えるか
決めるのがおすすめです。